ハッシュ集合
値がなく、キーだけのHashMap
を想像してみてください。これはハッシュ集合(HashSet
)と呼ばれるものです。(HashSet<T>
は、実際にはHashMap<T, ()>
のラッパーです。)
「何の意味があるの?フツーにキーをVec
に入れればいいじゃん」そう思いましたね?
それは、HashSet
独自の機能として、要素に重複がないということが保証されるためです。これは全ての集合(set
)型がもつ機能です。HashSet
はその実装の1つであり、他にはBTreeSet
等があります。
HashSet
に、すでに存在する値を加えようとすると、(すなわち、加えようとしている値のハッシュ値と、要素中のいずれかの値のハッシュ値が等しい場合、)新しい値によって古い値が上書きされます。
これは、同じ値を2つ以上欲しくない場合や、すでにある値を持っているか知りたい場合にとても有効です。
しかし、集合型の機能はそれだけではありません。
集合型には4つの主要なメソッドがあり、(すべてイテレータを返します。)
union
: 2つの集合型のどちらか一方にある値を全て取得
difference
: 1つ目の集合にあり、かつ2つ目には存在しない値を全て取得。
intersection
: 両方の集合にある値のみを取得。
symmetric_difference
: どちらか一方の集合には存在するが、両方には ない 値を取得
以下の例でこれらをすべて見ていきましょう。
例は公式ドキュメントから持ってきています。